2023R05 人間関係学会総会 映画「片袖の魚」上映会・東海林毅監督による講演会 開催!

2023R05年度 人間関係学会総会を、2023年6月21日(水)13:00~14:30に6号館6113教室で開催いたしました。
人間関係学会では、毎年人間関係学部の皆さまにむけて、普段の授業とは異なる学びの機会を提供しております。
今年度は「トランスジェンダー役は当事者の俳優に」の声を受け、日本で初めてトランス当事者俳優の一般公募を行った話題作『片袖の魚』の上映と、監督の東海林 毅(しょうじ・つよし)氏をお招きしての講演会を企画いたしました。

人間関係学会長の齊藤 豊(さいとう・ゆたか)学部長から挨拶・作品紹介ののち、映画『片袖の魚』が上映されました。

映画上映後、東海林監督による講演会「なぜ“トランスジェンダー役は当事者の俳優に”なのか 実践を通して見えたこと」が行われました。
映画を製作された監督から直接お話を伺うことができる貴重な機会に、会場はほぼ満席となり、学生たちは熱心に耳を傾けていました。




質疑応答では、今月6月中旬に可決・成立したLGBT理解増進法や、映画のタイトルの由来についての質問に、丁寧に回答されていました。
●主な感想(抜粋)
「トランスジェンダー女性を公募で選ぶという先駆的な作品を大画面で見ることができ、とても良い機会になった。監督の映画界の事情も含めたお話しも興味深かった。」
「東海林監督の『理解はできないから差別禁止の声をあげる』という言葉に心打たれた。」
「トランスジェンダー役はトランスジェンダー当事者の俳優にという主張の意図を知って、とても納得できた。大学に入ってからジェンダーについて学ぶようになり、今回の映画と講演から新しい視点や学びを得てまだまだ学び続けていく必要があると感じた。」
「トランスジェンダー役を当事者の俳優にという運動があることは知っていたものの、女性のガラスの天井と似ているという言葉にハッとした。」
「LGBT理解増進法が可決されたこのタイミングに、この映画を見て監督のお話を聞けたことが、とてもありがたいことだと思った。」
「悪意のない善意が相手を傷つけていることがあるということが日常的にあることを知り、トランスジェンダーの人の生きづらさが当事者が演じることでよりリアルに感じることができた。」

短時間ではありましたが、学生にとって濃厚で有意義な経験となったようです。東海林監督、参加いただいた皆様、ありがとうございました。
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●『片袖の魚』ストーリー(公式サイトより抜粋)
トランスジェンダーのささやかながらも確かな一歩を刻む34分。
わたしがわたしを生きる物語
トランスジェンダー女性の新谷ひかり(イシヅカユウ)は、ときに周囲の人々とのあいだに言いようのない壁を感じながらも、友人で同じくトランス女性の千秋(広畑りか)をはじめ上司である中山(原日出子)や同僚の辻(猪狩ともか)ら理解者に恵まれ、会社員として働きながら東京で一人暮らしをしている。
ある日、出張で故郷の街へと出向くことが決まる。ふとよぎる過去の記憶。
ひかりは、高校時代に同級生だった久田敬(黒住尚生)に、いまの自分の姿を見てほしいと考え、勇気をふり絞って連絡をするのだが――