心理学科と地域との関わり~保育園でのボランティア活動をとおして~
心理学科(現 社会・臨床心理学専攻)の学生は大学での授業やサークルなどの課外活動だけでなく、地域と関わりを持って積極的に取り組んでいる学生もいます。
今回紹介する多摩市内の保育園(認可保育所)では4年生1人、3年生3人の計4人がボランティア活動を行っています。
以下のいくつかの質問への回答を通して、このボランティア活動、学びとの関連について知っていただけると嬉しいです。
Q1 このボランティアを始めたきっかけは何ですか?
4年生
●もともと将来の進路として、子どもや親子を支援する仕事を考えていました。ゼミの先生にボランティアを紹介してもらい、将来の仕事のイメージができるかもしれないと考え、ボランティアに参加しました。
3年生
●田中ゼミで行うボランティア活動があると聞き、自身のアルバイト(学童・児童館)で関わりのある年齢の子どもたちとは違う年齢の子どもたちと関わり、自分の卒論にも活かせたら、と思い始めました。
●田中優先生(所属しているゼミの先生)からの紹介でこのボランティアを知りました。保育の現場に興味があった為、このボランティアをやってみたいと思い、始めました。
●現在所属しているゼミの田中先生からの紹介でこのボランティアを知りました。普段関わることの少ない子どもたちと関わってみたい、新しいことに挑戦してみたいと思い始めました。
Q2 いつ頃から始めて、どのくらいのペースで活動していますか?
4年生
●2024年の11月から週に一度活動しています。
3年生
●今年の4月から、2週間に1回のペースで行かせてもらっています。
他にサークルやアルバイトもしている関係で、ボランティア先の職員さんと話して調整しながら活動しています。
●今年の4月頃から始めて週に1回、活動をしています。
●今年の4月頃から始め、週1回のペースで学校終わりに保育園に通い、継続的に取り組んでいます。

Q3 具体的にどのような施設でボランティアをしているのでしょうか?
多摩市内にある保育園(認可保育所)でボランティアをしています。運営方針として、外国人の友だちや異年齢の友だちとともに学び合い、支え合う隣人愛を育てること、母親の社会的な地位向上を願い、安心して楽しく子育てができるよう家族や地域の親子を応援すること、自然を愛し、美しいものに触れ、感性豊かな心を育てることを挙げています。
Q4 ボランティアの内容を教えてください
ボランティアは保育補助と雑用に分かれます。保育補助では子どもたちと一緒に遊んだりイベントに参加したりします。幼児クラス・乳児クラスでは、子どもたちとゲームをしたり園庭で虫とりをしたり、本の読み聞かせをしたりします。また一緒に散歩に行ったり礼拝に参加させてもらったりすることもあります。雑用では主に片付け・掃除を行います。子どもが出したおもちゃを元の場所に戻したり、部屋の整頓をしたりしています。また、子どもたちの昼食や昼寝の時間、お迎えの時間に階段や廊下、ロッカー、トイレの掃除を行います。

Q5 ボランティアを始めてみて、やりがいを感じることは何ですか?
4年生
●子どもの間でトラブルが起きてしまったときに、自分が粘り強く関わることで子ども同士が話し合って解決できたときにやりがいを感じます。
3年生
●子どもたちが笑顔で「お姉さん」と声をかけてくれたり、「絵本を読んで」「遊んで」と楽しくしている姿を見ることができた時にやりがいを感じます。
●子供に顔や名前を覚えてもらえることです。子供に顔や名前を覚えてもらえると、とても嬉しく感じます。来週会えることが楽しみになり、とてもやりがいを感じます。
●子どもたちと遊んでいると、笑顔をたくさん見せてくれることが多くやりがいを感じます。また、子どもから声をかけてもらうこともあり、少しずつ信頼関係を築くことができているのかと思いさらに頑張ろうという気持ちになります。

Q6 ボランティアをしていて心理学の学びが何か活かされているのでしょうか?
4年生
●発達心理学やコミュニケーション心理学の知識が活きていると感じます。例えば子どもと一緒に遊ぶ際に、遊びの様子から並行遊びや連合遊びといった遊びの発達段階を考え、関わり方を変えることがあります。また、子どもによって、視覚優位、聴覚優位などがあるため、音声言語や文字言語といったチャネルの種類などを活用しています。
3年生
●子どもたちの年齢に応じた発達やまだ言語化しにくい年齢の子ども表情や行動から考えていることの推測、その子どもたちへの共感の仕方など、心理学の勉強が活かされていると感じています。
●心理学を学ぶことで、子供の言動から子供が伝えたいことを推測しやすくなりました。私は乳児のクラスを担当することが多いのですが、乳児はまだ言葉が発達しておらず、上手く話せないことも多いです。そこで、年齢に応じた子供の発達を学ぶことで、何を大人に伝えようとしているのか、という子供の気持ちを汲み取りやすくなりました。子供の心理の発達について学ぶことが、ボランティアではとても活かされています。
●心理学で学んだ「子どもの発達段階」についての知識が活かされているなと感じます。例えば年齢によって伝え方や接し方を変える必要があるため、それぞれの子どもに適した関わり方を考える際に、授業で学んだ内容が活かされています。
Q7 最後に、この記事を読んでいる皆さんに向けてメッセージをお願いします。
●ボランティアをしたことで、心理学の知識が日常生活や人との関わりの中に活かせることを強く実感しました。ただ知識を身につけるだけでなく、その知識を自分の身の回りのことに当てはめて考えてみると面白いかもしれません。
●心理学は難しい学問ですが、学んでみるととても楽しい心理学です。私は、子どもに関わる領域の心理学が興味あり、今回のボランティアをしていますが、心理学には教育や医療、司法など、多くの領域のものがあります。大妻の心理学専攻では、社会心理学、臨床心理学の2つの観点から幅広く学ぶことができます。少しでも気になると感じる方がいらっしゃれば、オープンキャンパスに来てみてください!皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
●心理学で得た学びが保育のボランティアに活かすことが出来るように、心理学の学びは幅広く応用することが出来ます。だから、少しでも興味がある人は、ぜひ心理学を学んでみてください。
●私はこのボランティアを通して、普段関わる機会の少ない年齢の子どもたちと接することができ、貴重な経験をさせていただいています。そして、授業で学んだ知識が実際の場面でどう生かされているのか体感することで、学びのインプットとアウトプットの両方を経験することができています。様々な経験は新たな発見のきっかけにもなり、自分自身の成長につながるはずです。大妻女子大学では学びと実践を両立できる環境が整っており、心理学を学びたい方にとって魅力的な場だと思います!